事業成果物名

2010年度 排熱回収型サイレンサに関する技術開発成果報告書

団体名

事業成果物概要

1.事業名
 排熱回収型サイレンサに関する技術開発

2.目的
 大型船の主機関については、エコノマイザーを設けて排熱による蒸気回収が行われているが、発電機関の排熱については利用されていないのが現状である。このため、停泊時には、主機排熱は利用できないことから、必要となる蒸気を供給するため油焚補助ボイラを運転している。
 そこで、発電機関の排熱を利用することで、停泊時の蒸気を確保する方式を開発し、省エネをはかることを目的とする。具体的には、発電機関用サイレンサ内に、多重コイル式伝熱チューブを組込むことで、サイレンサとしての機能と排熱回収の機能を持つコンパクトな排熱回収型サイレンサを開発する。

3.事業内容
 本事業は、排熱回収型サイレンサを、平成22年度と平成23年度の2年間で開発するもので、平成22年度では具体的には以下を実施する。

1)利用可能排熱量の調査
 主な船種ごとに発電機関出力、停泊時運転状況、排気ガス温度、排ガス量等熱回収の潜在能力を評価するためのデータを収集し、開発対象とする船種を選定する。
 次に、開発対象船種を念頭に、排熱回収型サイレンサの性能試験装置の基本仕様を固める。
2)性能試験装置の設計・製作
 開発する排熱回収型サイレンサの性能を試験する装置を設計し、製作する。
3)基本性能確認用サイレンサAの設計・製作
 すべての開発課題を一度の試験機製作で達成することは困難なことから、初年度は、膨張室容積の増加を抑制した基本性能確認のための排熱回収型サイレンサAを設計・製作する。
 そして、熱回収率、圧力損失、生成蒸気温度と圧力、熱交換器搭載前後の消音効果やサイレンサ本体と伝熱管との共振等の検討を行う。
4)試験装置とサイレンサAの機能・性能試験
 製作した性能試験装置とサンレンサAの機能を確認する。次に、熱回収率と圧力損失増加の関係を実験的に明らかにするとともに、膨張室内に設けた螺旋状伝熱チューブの消音効果への影響を確認する。
 また、伝熱管の取り付けに伴う共振についての検討を行う。

 なお、本事業は平成23年まで事業を実施する予定であり、平成23年度終了後、報告書を掲載いたします。

助成機関

事業成果物種類

報告書

事業成果物

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