事業成果物名

21年度準輻輳海域における航行安全確保に関する調査

団体名

事業成果物概要

太平洋沿岸域は背後に東京湾、伊勢湾、瀬戸内海のふくそう海域を擁し、そのふくそう海域間を結ぶ沿岸域では、船舶交通が収斂し針路が錯綜する海域となっているが、かねてよりこの海域では船舶交通や漁船操業をリアルタイムで把握することが困難なことから、日本船長協会が設定した自主分離通航帯があるのみで、その有用性やそれに代わる新たな実効性のある安全対策の構築等について検討することが困難な状況であった。
本調査は、平成20年7月から全ての義務船舶にAISが搭載され、それに伴い新たに運用が開始された沿岸域のAIS陸上局を活用することで、準ふくそう海域の船舶交通流を把握・検証し、問題となる海域を抽出すると共に、抽出した海域における交通の整流、動静監視、情報提供等の航行安全対策を総合的に検討し、以て航行安全の確保に寄与することのできる仕組み作りについて調査・検討したものである。

現状の交通環境及びAISの運用・活用状況を整理・解析したことで、衝突・乗揚海難の発生が多い海域、船舶同士の遭遇が多い海域、及び商船船長による問題意識の高い海域を絞り込むことができた。更に、季節や時間帯ごとの仕分けを行うことで、夜間に衝突海難が多いこともデータとして捉えることが出来た。また、準ふくそう海域を航行・操業海域とする商船船長と漁業協同組合に対するアンケートを実施したことで、当該海域において従来まで漠然としていた漁船と商船の見合い関係が衝突海難に大きなウエイトを占めていることも判明した。これらを踏まえ、AIS陸上局から各船舶向けに提供することが望まれる情報項目が見えてきた。

助成機関

  • 日本財団

事業成果物種類

報告書

事業成果物

事業成果物名

準輻輳海域における航行安全確保に関する調査

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